私は、かれこれ数年間、定期的に視聴しているYouTubeチャンネルがあります。
とても愛らしい猫たちが登場して、なかでも「まる」と名付けられた大きな猫がいて、彼のことが大好きでした。
彼は、猫というより「まる」という生き物であり、彼なりの哲学の中で生きていること、そして、それを飼い主さんが大切にしていらっしゃることが伝わる動画が本当に好きで。
ただ、彼が猫の寿命からするとかなりの高齢であることは、ずっと頭から離れなくて、いつ「そのとき」が来るかを少し怖い気持ちもずっとありました。
そして、「そのとき」が来ていたことをYouTubeの投稿から知り、いま、残された猫たちの動画を観て泣いていたところです。
初めて「まる」の動画を見たのは、10年ほど前で、それはビールの空き箱にスサーと飛び込んでゆくおもしろくてかわいい動画でした。あまりにもすてきな動画だったので、当時いた大学の学生さんにも「見て見て!」と一緒に見ていたのを覚えています。
こちらが一方的に動画で知っていただけなのに、いつかはと覚悟をしていたはずなのに、それでもやっぱり悲しいものは悲しいのですね。
残された猫たち(はな、みり)は、旅立った「まる」のお気に入りの場所によくいるようになったそうです。この子たちにも分かるんだろうな、と思います。
飼い主さんも「そのとき」から少し経ってから投稿をされていて、心の痛みとその深さを想像せずにいられません。
動画を通してしか、知らないはずの「まる」ですが、その存在が思ったより大きなものであったことに泣きながら気づきました。
だから、私は猫を飼うのが、怖いのです。